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人生の答えはひとつじゃないよ、三びきのやぎのがらがらどん *大人が読みたい名作絵本*

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絵本好きなら幼いころ一度は読んだことはあるであろう、三びきのやぎのがらがらどん。大型書店に平積みされることの多い名作絵本です。原作はノルウェーに昔から伝わる昔話ということもあり、小さなお子さんはもちろん大きな大人も間違いなくハマる絵本になっています。

登場人物は3匹のやぎと、トロルと呼ばれる謎の妖怪。体の大きさの違う3匹のやぎが橋を渡っていくさまは、結末がわかっていても、毎回手に汗を握るスリリングさ。テンポの良い流れに圧倒されます。

このお話のスゴイと思うところは、絵本を子ども騙しのアイテムに扱っていないこと。墨汁で描いたような力強い作風のイラストは、年齢を重ねた大人でも思わず身震いしてしまう恐ろしさ。「3匹のやぎはトロルの手を逃れて、最後は仲良く暮らしましたとさ」きっと思慮深い大人なら小さな子どもを傷つけまいと無難な終わり方を選ぶはずなのに、こちらの作品は正反対。クライマックスには予想だにしていない、圧巻のラストが描かれています。

大きくなると子どもの頃には持っていなかったような、大人ならではのこだわりやルールが生まれてきます。同時に「子どものお手本になりたい」勝手気ままなマイルールも芽生えてきてしまうのも事実。三びきのやぎのがらがらどんを読むと、そんな大人の勝手に敷いたレールは、幼い子どもにとって余計な存在なのだということに気づかされます。
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もしマニュアルどおりの子育てに悩んでいる方、両親の勝手な価値観に悩まされている方がいるとするなら、間違いなく180度見方や意識が変わるのがこちらの作品。「人生に正しい答えはひとつもない」何ともシンプルな答えを教えてくれるのが三びきのやぎのがらがらどんです。

ちなみに日本語訳を手掛けている瀬田 貞二さんは名作・三びきのこぶたの翻訳も手掛けている、三びきシリーズのエキスパート。シンプルで分かりやすい翻訳は、何度読んでも心に響きます。

『引用:{三びきのやぎのがらがらどん} 作:マーシャ・ブラウン 絵:マーシャ・ブラウン 出版社:福音館書店』

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