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分からないという事の恐怖 *大人が読みたい名作絵本*

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とても可愛いお話しなんです。

湖におばけが出ると大騒ぎになる人々。どうして正体が分からないものに、人は恐怖を感じてしまうのでしょう?
誰もが経験した事があると思いますよ。
揺れるカーテンにビクッとしたり。
突然の物音に驚いてしまったり。

正体が分かったら、「な―んだ」と思えてしまう事も、正体が分からないときには、あれこれと想像してしまうものです。

この絵本が伝えたいメッセージというのは、正体が分からないものに怯える事はないという事ではないでしょうか。

人は、正体が分からないものを恐れて、遠ざけたりもします。

「海のおばけ オーリー」を読んでいると、人がどれだけ臆病なのかも分かります。
湖に現れるおばけに怯える人々を見ていると、この物語が伝えたかったのは、怯える人々の心ではないかと思います。

そして、物語ではおばけに怯えるのですが、おばけの正体はなんでしょう?おばけの正体は、「未知」なのではないでしょうか?
未知の出来事は、全て不安や恐怖の材料に思える時があります。

特に今の時代は、SNSの発展で以前よりも人間関係が難しくなって気がするのです。そんな時代だからこそ、この絵本は必要なのではないのでしょうか?
湖に現れるおばけに怯え、その怯えはどんどん広がっていきます。

私達も、不安や恐怖を抱くと、日に日に増えていきます。
この絵本が名作だといわれるのは、可愛い文や絵に隠れた、さりげないメッセージがあるからではないでしょうか?
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絵本を読むのは子供だけと思っている人もいるかと思いますが、そうではありません。

大人にならなければ、絵本の隠されたメッセージや、作者か本当に伝えたい事を知る事は難しいかもしれません。

子供の時には、深く考えた事のない物語の奥深さを知る事が出来た時に、私達は大人になれるのかもしれません。
大切なのは、不安や恐怖を感じても、恐れる事はないのだという事ではないでしょうか。勇気を出して、不安や恐怖の正体を知れば、何も恐れる事はないのです。

引用:海のおばけ オーリー
作・絵:M・H・エッツ
訳:石井桃子
出版元:岩波書店

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