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孤独も心の成長の為にある *大人が読みたい名作絵本*

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絵本というのは、明るくまえむきなものばかりだと思っていました。
でも、この「あめの ひの おるすばん」は、ページをひらいた瞬間から、なんだか寂しい空気が部屋中に広がるようでした。

子供の頃。初めてお留守番を頼まれた時、とても自分が大きくなったような気がしました。
でも、一人ぼっちがとても寂しくて、いつもの明るい家の中がなんだかとても寂しく感じたのです。

この絵本を開くと、心細かった幼い頃の自分をみているようでした。

この絵本が伝えたかったメッセージは、孤独をあえて教えるためではないでしょうか?
孤独は、経験しようと思っても経験出来るものではありません。そして、孤独は多くの事を教えてくれるのです。
人は、孤独を知って初めて成長出来るのかもしれません。

絵本の中で女の子が寂しそうにしていると、抱き締めたくなります。それは、幼い頃の自分を抱き締めたいのかもしれません。
絵本の世界は不思議です。なぜか、物語の中に幼い頃の自分を見つける時があるのです。

大人になってから絵本を読みたくなるのは、かつての自分の姿を見つけたいからではないのかと思うのです。
人は大人になると自然と孤独を感じる事が多くなるような気がするのです。そして、孤独は雨にとても似ています。

寂しくて、冷たい雨は孤独を感じさせます。この絵本はあめをモチーフに使う事で、孤独を見事に演出しているのではないでしょうか?
そして、岩崎ちひろさんが描く淡い繊細な世界は、寂しさと同時に強さも感じます。

じっと何かを見つめる女の子の瞳は、なぜかとても強い意思の力を感じるのです。
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この絵本が名作とされるのは、絵本を通して、人生には孤独の寂しさも大切なんだと教えてくれるからではないでしょうか?

これほどまでに、寂しさと強さを表現している絵本はないのではないでしょうか?

雨がふると、この絵本を思い出します。そして、孤独にジッと耐えている眼差しを思い出します。
これほどまでに心に訴えかけてくる絵本はないと思います。

引用:あめの ひの おるすばん
作、絵:岩崎ちひろ
出版元:至光社

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