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こんな日常にはおさらばだ!「かいじゅうたちのいるところ」で旅に出よう *大人が読みたい名作絵本*

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「こんな生活、もう嫌だ~!」「会社なんて、やめてやる~!」

人から見れば羨ましいほどの豊かな生活を送っている場合でも、こんな風に時々全てから逃げ出したくなる、という衝動を覚えない人は滅多にいないものです。何らかの苦境を抱えていれば、なおさらその衝動は頻繁に起こるかもしれませんね。

子ども向けの名作絵本として、どこの国でもぶっちぎりの大人気を誇るモーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」は、誰もが胸に秘めたそんなリセット衝動、逃避願望を、美しい筆致で華やかに表現した名著です。

いたずらをしまくってお母さんに叱られたマックスは、何もかも捨てて遠方航海に出ます。着いた先は、凶悪そうな魑魅魍魎があふれる、かいじゅうたちの国でした…。

ぱっと見はものすごく恐ろしいかいじゅうキャラたち(小さい時に、実は初見で泣いた人が多いのでは?)ですが、しばらく見入ると実に味のある良い奴ら、ということがわかってきます。自分自身もかいじゅう、として定義されてしまっている身としては、仲間入りしても楽しいもの。

そう、世界のどこかには、自分そっくりの存在がたくさんいて、自分を温かく迎え入れてくれる場所があるんだ…!こんな逃避への幻想が盛り上がりますが、それは結局「社会」のなせるわざ。
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悲しいかな、最終的にはどこでも似たようないざこざがあり、繰り返されることは同じだと気づかざるを得ません。そうなると、やっぱり元の場所で地道に生きていくことが、自分に一番向いているのかなあ…としみじみ感じられるのです。

これは休暇をとってリフレッシュ旅行に出るのと同じ効果です。旅先で色々なアクシデントや不便な思いを経験すればこそ、自分が本来いるべき場所の価値をしっかりと再認識できます。マックスの旅は、私たちが日々繰り返している「日常」と「休暇」のサイクルを比喩したものなのかもしれませんね。知らないうちに日々のストレスがたまっている方は、ぜひ本書をのんびりと手に取って、楽しんでみて下さい。

『引用:かいじゅうたちのいるところ 作・絵:モーリス・センダック 出版社:冨山房』

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