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アンパンマン、初期絵本からおなじみ超人の骨格コンセプトを知る *大人が読みたい名作絵本*

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愛と、勇気だけが友達さ~!日本でなら、ここのフレーズが流れただけでも、大半の人があのスーパーヒーローを思い浮かべる事ができるでしょう。ですが、筆者がこれを聞きつけたのはフランス・地方都市の路線バスの中。音源は、すぐ近くにいた高校生のヘッドフォンから漏れ出ていたもので、無精ひげを生やした彼は「ジャパニーズアニメ大好きっす」というオーラを無言で発していました。

アンパンマン。やなせたかし先生の不朽の名作であり、アニメ化が成されてからは日本のお子さまたちの守護神のようなキャラクターとして、不動の地位を誇っています。

ジャムおじさんのパン工房で生まれたあんぱんまんは、空も飛べるオーソドックスなヒーロー性に加え、自分の頭部を食料として困っている人に供給することができる、いわゆる超人。

強くてかっこいいのにやわらか美味しい…という、まさに前代未聞の特徴が支持される要因かと思うのですが、不思議と日本以外の国で見かけることはありません。

少し前に南アジアの諸国では、やはり日本の国民的キャラである某・青い猫ロボが人気を博していましたし、ポケモンや妖怪ウォッチにいたっては全世界規模で認知されています。

日本の漫画やアニメはすぐに輸出されていくのに、なぜあんぱんまんは海外進出しないのか?と不思議に思っていましたが、「あんぱん」という日本限定の食物である点が制限になっているようです。

確かにフランスのパン屋ではチョコパン・レーズンパンはあってもあんぱんはありませんし、カレー入りのパンやメロンパンなどは、想像する事自体が難しいかもしれません。

こんなところから欧米進出のなされていないあんぱんまんですが、再生産可能な食糧が助けに来てくれるという、シュールながら人間にとっては夢のようなコンセプトを持ったヒーローでもあります。
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初期絵本のあんぱんまんはスリムな姿態で、アニメ版に見慣れた人は違和感を感じるかもしれません。ですが一連のアンパンマン作品を知る上で欠かせない、骨格のようなものが読み取れる内容でもあります。

お腹を空かせた人を助けるヒーローは、飽食社会と飢餓状態が混在している、現在の私たちのアンバランスな世界を読み解くうえで、何らかのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

『引用:あんぱんまん 作・絵:やなせたかし 出版社:フレーベル館』

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