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違いなんてどこにもない *大人が読みたい名作絵本*

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「てぶくろ」は、雪の日のお話しです。おじいさんが落としたてぶくろをねずみが見つける事から物語りが始まります。
この物語りが伝えたい事は、違いなんてどこにもないという事です。体の大きさも、食べるものが違っても、本当はどこにも違いがないという事を伝えたかったんだと思います。

動物の世界に比べて、人間の世界はなんて狭いのでしょう。
学歴や職業、住んでいる場所さえも人間にとっては人と比べる対象でしかないのです。

この絵本は、その事を表しているような気がしてならないのです。

そして、この絵本がもう一つ伝えたかった事は、宝物を独り占めしてはならないという事です。もしも、誰かがてぶくろを独り占めしたらどうなっていたのでしょう。
この物語りは、宝物を独り占めしてはいけないよ。という事ではないでしょうか。

本当は、誰だって宝物は独り占めしたいのです。でも、もしも独り占めしたら、その人は本当に幸せなのでしょうか?分けあえる事がどれだけ幸福であるかという事を、この絵本は教えてくれています。

幸せにはいろいろなものがあります。でも、幸せは一人で得られるものはないのかもしれません。
幸せは、誰かと分かち合った時に、初めて得られるのかもしれません。

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この絵本の中は雪が積もっているのに、なんて暖かそうなんでしょう。なんて幸せそうなのでしょう。読んでいる方が思わず笑顔になってしまうほどの優しい物語りです。

でも、実はもう一人の主人公がいるのです。それは、てぶくろを落としたおじいさんです。
おじいさんは、本当に誤って、てぶくろを落としただけなのでしょうか。もしかしたら、おじいさんは、知っていたのかもしれません。ぞう考えると、どんどん絵本の物語りが変わっていくようです。

絵本の中の登場人物は、誰もが主人公になれるのです。
この絵本が名作と言われているのは、この絵本には優しさがたくさん詰まっているのです。その優しさが読んでいる私達にも伝わってくる感覚がとても好きです。

引用:てぶくろ
作:ウクライナ民話
絵:エウゲーニー・M・ラチョフ 訳:内田莉莎子
出版元:福音館書店

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