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とても哲学的な絵本だと思います。ニューヨークに住むハティーが、家族を見つめながら考えるというこの物語りは、単なる絵本という言葉では難しいと思います。
子供の時に、全ての子供が思ったはずです。大きくなったらこうなりたいという事を。その時には、幸せな未来しか考えていなかったはずです。
でも、ハティーは違いました。ハティーは、家族を見つめながら幸せについて考えます。
この絵本が伝えたかった事は、幸せについて自分で考える事が必要だという事ではないでしょうか?
幸せになりたいと願いながら、私達は本当の幸せの正体を知っているのでしょうか?
例えば、お金持ちになる事が幸せなのでしょうか?お金さえあれば、夢も愛もいらないのでしょうか?
そんな単純で、でも、答えが決まっていない答えを、人は無意識に探しているのかもしれません。
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名作といわれる絵本の中には、時おり深いテーマを扱っているものもあります。読んだ後で、何度も何度も読み直してしは、何度も何度も考えさせられる物語でした。
日常生活の中で、幸せについて深く考えるという事はあまりありません。幸せになりたいと言いながら、何が幸せなのか。どうしたら幸せになれるのか、考えた事もなかったのです。
そして、ハティーのように考えた結果。幸せというのは、まるで集合体のような存在だという事です。
家族と過ごす幸せも、友人とふざけ合う幸せも、大好きな人に会う幸せも、これらの幸せが集まって、私達は本当の幸せを手にするのかもしれません。
「おおきな なみ」という、このタイトルは、もしかしたら人生を表しているのかもしれません。
人生はまるで大きな波のようです。私達は、その波に立ち向かって生きているのではないかと考えさせられます。
幸せについて考え始めてから、毎日が姿を変えたような気がします。毎日を意識すると、何気ない一瞬がまるで宝物のようにキラキラしているように感じます。
この絵本と出会えた事も、幸せの一部になるのだと思います。
引用:おおきな なみ
作・絵:バーバラ・クーニー
訳:掛川恭子
出版元:ほるぷ出版