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最初の一歩が踏みだせないあなたへ、3びきのくま *大人が読みたい名作絵本*

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ロシアの有名な小説家トルストイの傑作といわれているのが「3びきのくま」。えっ?3びきシリーズは子豚だけなのでは…?と疑念を抱きながら、まずはページをパラパラ。深い森の中をさまよっていた女の子が、見慣れない一軒のお宅を発見。おそるおそるドアを開けると、3つのスープや3つのベッドがあって…。最後にはとんだ大どんでん返しもある、リズム感あふれる物語りです。

大型絵本ショップのイベントなどで取り上げられることの多い「ザ読み聞かせ絵本」のため、誰もが一度は聴いたことがあるあるとうなずける作品なのではないでしょうか。

3びきのくまシリーズは原作のトルストイ版だけではなく、いもとようこさんなど多くの日本人絵本作家のものも発行されています。トルストイ版はバスネツォフさんというイラストレーターが描いていますが、これがなかなかレトロで可愛らしい。たとえば森のシーンでは木々の年輪や葉っぱの枝・花やキノコ・小鳥など、ひとつひとつのパーツまで丁寧に描かれています。イラストをざっくりまとめた絵本は意外に多いのですが、こちらは1ページ1ページ芸術品のようにじっくり鑑賞できる1冊。最初はストーリーのリズミカルさを楽しみ、次に物語の絵をゆっくりながめて、最後は文と絵両方味わう…。いっぺんに3通りもの楽しみ方ができるコスパに優れた名作絵本です。
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トントンとリズミカルに話が展開されていくため、読み終わったあとはかなりの爽快感。女の子と私を重ね合わせて、深い森に旅をしたような不思議なイリュージョンを味わえます。

大人になると「警戒心」ばかりが顔をのぞかせて、思いきった行動に出られないのも事実。ああしたい、こうしたいと思いばかりが風船のように膨らんでいくのに、なかなか最初の勇気がでないもの。森でさまよい見知らぬ人の家に入り込む主人公の女の子は「失敗したらどうしよう」なんてちっとも考えず、どんどん自分で人生を切り拓いていけます。何かやりたいのに勇気が出ない…そんな大人のあなたを元気づけてくれる一冊です。

『引用:{絵本名} 作:トルストイ 絵: バスネツォフ 出版社:福音館書店』

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