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おつかいに行く、子供の心情がとても上手に描かれていて大好きな絵本

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今はテレビ番組で放送されている「はじめてのおつかい」ですが、私の小さな子供の頃は、この番組もありませんでいた。
誰でも、時期は異なるとは思うのですが、「はじめてのおつかい」の経験はあります。

そんな「はじめて」の時の心情を、とても共感出来る絵本が、この「はじめてのおつかい」です。

この本は、自分の妹のために、お母さんから頼まれて牛乳を買いに行くおつかい。
妹のためにという事と、お母さんに頼まれて自分がお姉ちゃんになった気分、とにかく私が一人で行ける、という自信から始まります。

自分には実際に妹がいたので、とても共感出来る心情ですが、たとえ妹や弟がいなくても、自分一人でお買い物に行くんだという心情は、同じだと思います。
お母さんから頼まれた時、自分が「行く」という自信満々の返事は、うれしくて仕方がない心情です。

それでも、家から一歩出ると、車が通っていたり、つまづいてしまって握りしめたお金がころころと転がっていく様子は、大人の視点からすると、ハラハラです。
子供の視点からは、ドキドキでしょうか。

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お店は小さな商店。タバコやパン・雑貨が売っている町の商店です。
今のような大きなスーパーではありません。

そのお店での場面は、子供視点からいえば、「わかる、わかる、大きな声で言えないんだよね」だし、大人視点からいえば、「がんばれ、もう少し大きな声出して」とともに、子供の頃の、恥ずかしく自信がなくなってしまった心情になります。

そして、ようやく買えて、一目散で家へ帰る場面や、目的の品物を買えたという満足感で、お釣りを受け取ることを忘れてしまう場面は、「良かった」と「あーあ」心情です。

この絵本は、子供の心情がとても上手に描かれて、子供のドキドキ・ワクワクの気持ちもわかるし、大人が読めば、頑張れと思うと同時に、自分自身が子供の時もこんな心情だったなと、とても共感が出来るのです。

「はじめてのおつかい」福音館書店こどものとも
作 筒井頼子
絵 林 明子

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