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あなたには冬になったら思い浮かぶ絵本はありますか。
10月末のハロウィンが終わったとたん、街中の雰囲気は一気にクリスマスモードに突入しますよね。
イルミネーションやクリスマスツリーを見たり、この時期ならではの音楽を耳にすると、毎年心によみがえる思い出の一冊をご紹介しましょう。
その絵本のタイトルは「さむがりやのサンタ」。
子供たちが思い描く夢の世界のサンタクロースは、どのようなイメージでしょうか。
白いおひげで赤い帽子をかぶって、いい子にしていたらプレゼントを持ってきてくれる優しくて素敵なおじいさんと答える子供が多いのでは。
その期待を見事に裏切ってくれるのは、この絵本に出てくるサンタさん。
気難しいおじいさんで、何よりクリスマス・イブにプレゼントを配る仕事をとても面倒くさがっているのです。
雪国の人は寒さに強いというのは思い込みかもしれないですよ。
このサンタさんは、朝起きて着替えをするのも、家の外に出てトナカイのお世話をするのも、溜息をついたり、ブツクサ文句を言ったり、とにかく寒がり。
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そんなサンタさんなのに、ほっこり笑顔でどんどんページを読み進めていくのはなぜなのでしょうか。
まず、マンガのようにコマ割りで描かれており、子供も大人も大変読みやすいのです。
サンタさんの家の中の様子やトナカイ小屋、プレゼントを配る世界中の街の様子や雪の積もった屋根など、一つ一つの絵が何とも細やか。
ユーモラスなサンタさんの仕事ぶりがおかしくて思わず笑ってしまう場面がいくつもちりばめられています。
絵本の最後のサンタさんの決めゼリフは、インパクト大。
忘れられない心に残るものとなり、読み終えた時は笑顔になっていますよ。
寒くて忙しくて大変なことばかりのサンタさんのお仕事の世界に引き込まれて夢中になってしまうこと間違いなしです。
小学校の図書室で読み、貸出してもらってまた家で読み、大人になってからも子供と一緒に楽しみたい。
そんな一冊なのです。
もうすぐクリスマス。
あなたもこの一冊を手に取ってみませんか。
「さむがりやのサンタ」
作・絵:レイモンド・ブリッグズ
訳:すがはら ひろくに
出版社:福音館書店
発行日:1974年10月