スポンサーリンク
「ちいさい おうち」は、都会に憧れるおうちのお話しです。のどかな静かな田舎のおうちの絵が描かれていて、こんな家に住めたらなと思わず思ってしまうような家でした。
この絵本が伝えたかった事は、見果てぬ夢よりも、すぐ側にある幸せを大切にしなさいという事なのかもしれません。
子供の時に、遠くに煌めくネオンがとても美しく見えて、大きくなったら絶対に行ってみようと心に決めていました。キラキラと輝いていて、幼かった私には、遠くに見える煌めきがまるでネオンのようだったんです。
大人になって、初めて訪れた時に、想像とはあまりにも違う事にガッカリした事を覚えています。
人は、自分がいかに幸せな環境にいるのかという事を忘れているのかもしれません。
私が住んでいた所はとても田舎でした。だからいつも都会の灯りに憧れていました。きっとこことは違う。きっとここよりも素晴らしいはずだ。幼い私は、勝手に何もない田舎よりも、何でもそろう都会の方が幸せそうに感じたのです。
「ちいさい おうち」を読むと、その頃の自分を思い出すのです。
見果てぬ夢ばかりを追い求め、本当の幸せや宝物に気が付かずに来てしまったのです。
スポンサーリンク
一番最初に気になったのがタイトルでした。「ちいさなおうち」という簡単に感じるタイトルですが、ここには様々な思いが詰め込まれているのではないかと思うのです。
生活していく上で、どんな環境で暮らすのが一番の幸せなのかを考えさせられる作品です。人は、どれだけ満足のいく生活をしていても、満足する事はないのだと思いました。
この「ちいさな おうち」は、そんな私達に対して、本当の幸せというのはどういうものなのかという事を問いかけてくるようでした。
この絵本が名作といわれるのは、主人子を動かない家にした事です。自分では動く事が出来ない家ですが、周囲が動く事により、世界は変わっていくのです。
でも、変わる事は果たして良い事なのでしょうか?この絵本は、私達に本当の幸せについて考える事が、とても大切なんだとう事を教えてくれているような気がします。
引用:ちいさい おうち
作・絵:バージニア・リー・バートン
訳:石井桃子
出版元:岩波書店