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長所が多い人はたくさんいますが、短所が全くない！という人はまずいないもの。人に羨ましがられるような立派なキャリアやステータスを持っている人でも、何かしら人に言えない自分の弱さ、欠点を抱えているものです。大人になってしまうとどうしても他の人に相談しにくいのですが、長年つきまとった短所を一人で解決していくのはとても難しいものですよね。
こんな悩みを持つ人におすすめしたい絵本が、「ラチとらいおん」です。軽い朗らかタッチがかわいらしく、日本では特にグッズ化もされているので、話を読んだことがなくても、キャラクターを目にしたことがある人は多いでしょう。
弱虫なラチ君の元に、ある日奇妙なコーチがやってきます。ミニサイズのらいおんとともに、少年は果たして強くなることができるのでしょうか？
この絵本の魅力は人により様々ですが、一番注目すべきはやはり、らいおんのキャラの強さでしょう。小さくても隆々と力強く、かわいらしくてもしゃっきり厳しいらいおんは、ひとりで伸び悩みしている少年の心強いサポーターであり先生です。こんな存在がポケットに入っていたら、私もなりたい自分になれるんだけどなあ…そんな風に夢想してしまいますね。
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一人ではどうにもならなかった問題解決も、誰かに応援してもらったり、支えてもらえばぐっと実現可能になる。これは普遍的に言える事なのですが、ラチ君のちょっとした変化は、彼自身が行った努力のもとにできた結果です。
ネットビジネスの発展により、コンプレックスを解決する対策の一環として、お金を出して様々なサポート製品を買う安易な方法がどんどん提供されるようになりました。ですが根本的なところで、「変わりたい」「そのために努力をしてみよう、続けよう」という心がけがなければ、それは一時的な改善や、うわべだけの修正に終わってしまうのではないでしょうか。本当に自分を変えたいと思うのであれば、地道な努力をする以外に道はない。「ラチとらいおん」は、そんな正道のメッセージを伝える名作である、とも言えるのです。
『引用：ラチとらいおん 作・絵：マレーク・ベロニカ 出版社：福音館書店』