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どうして、真っ白な世界というのはこうも魅力的に見えるのでしょう?
小さい頃に、真っ白な壁にいたずら描きをして怒られたという経験は誰もがしたと思います。
白は、人に空想を抱かせてくれる魔法の色です。
うさぎちゃんも、きっと魔法の色だから、どんどん夢が広がったんだと思います。
もしも世界が白かったなら、みんなそれぞれ好きな物を描くでしょう。
美しい海外の風景や、色鮮やかな花に、不思議な模様。
真っ白な世界は、誰もが心を素直に表現出来る色です。
大人になると、どうして好きな物を素直に好きと言えなかったり、常識にとらわれてしまうのでしょう。
子供時代には、何もかもが自由なキャンパスに見えました。
ノートも、壁も、窓も、そして自分の顔までが何を描いても良いキャンパスだったのです。
大人になると、自分を表現する事が苦手になります。もしも自由に何でも描いて良いと言われたら、何を描くのでしょう?
そして、心には何が浮かぶのでしょう?
小さい時には、あらゆるものが浮かんできました。お姫様やカラフルな家。
空想の生き物や、未来の乗り物。何も考えなくても、あんなに自然にペンを走らせていたのに、大人になるとそれが出来なくなります。
空想の世界を描けなくなってしまうのです。
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それは、とても寂しい事のように感じます。
「わたしのワンピース」は、そんな気持ちを思い出させてくれる、名作絵本だと思います。
絵本は、何度も読み直して、読み直す度に違った気持ちになれる不思議な本です。
ハラハラドキドキする絵本ではありませんが、ページをめくったら、次は一体どうなっているんだろうと考えさせてくれる絵本です。
そして、読み終わった後にはとても絵を描きたい気持ちで一杯になるのです。
不思議ですね。幼い頃のように様々な世界が広がっていくのです。忘れてしまった大切な宝物を探す旅に、マジックを持って、出掛けてみたいと思わせてくれる。
この絵本には、そんな不思議な魅力があります。
引用:わたしのワンピース
作・絵:にしまきかやこ
出版元:こぐま社