資金的に余裕ができたことで、投資に回したいと思っても、いざとなると不安が先立つものです。
投資に関連したWEBサイトを見ると、投資をするには売買におけるテクニックをマスターしなければならない、世界の色々な情報を入手しなければならない、経済に関するデータを分析できなければならない、などというようなことが記載されています。
かといって、日々仕事をしている人は投資のための勉強をする時間など取れないのが実態です。
そんな時に便利なのが、全てを投資のプロにお任せできる「ラップ口座」です。
ラップ口座のラップという言葉は、食べ物を包む「ラップ」からきています。
投資家が証券会社や信託銀行と契約を結ぶと、資産運用のすべてを業者に委任できるサービスがラップ口座です。
つまり、知識や経験の足りない投資家に代わって、業者が資金の管理から銘柄の売買まで、投資に関することの全てを行います。
投資家は単に結果を見ているだけでよく、資金面以外の負担がありません。
ラップ口座には「SMA」と「ファンドラップ」という2種類があります。
1.SMA
従来、ラップ口座というと、SMAのことを指していました。
SMAは「Separately Managed Account(セパレートリー・マネジメント・アカウント)」の略であり、資金の運用を全て業者に一任することです。
投資対象は株や債券、投資信託など、様々な商品になっています。
SMAの特徴は最低投資額が数千万円以上と高額なことであり、必然的に富裕層だけを顧客としています。
2.ファンドラップ
ファンドラップはSMAに代わるものとして提供されている新しい形態のラップ口座です。
運用はSMA同様、業者に一任されますが、取扱い商品は投資信託が主体になっており、色々な投資信託を組み合わせて運用されます。
ファンドラップの場合は最低投資額が300万円や500万円など(10万円や50万円の業者もあり)、SMAより大幅に低くなっているため、一般市民でも申込ができるようになりました。
なお、近年はファンドラップに申込むと保険が付帯されたり、業者の提携銀行の預金金利が優遇されたりするサービスが提供されています。
ファンドラップを始めるには最初に業者の担当者からヒアリングを受け、投資可能額や投資に対する要望を確認された上で、運用方針が決められます。
リスクを低減したい場合は国内債券ファンド中心の運用計画が立てられ、高リターンを望む場合は外国株式の比率が高くなります。
なお、投資内容は定期的に見直しが行われます。
ファンドラップの手数料は年単位になっており、商品を購入する時点での手数料は取られません。
手数料のタイプは主に固定報酬型と成功報酬併用型があり、固定報酬型は手数料総額が一般的に資産残高の3%前後になっており、成功報酬併用型は管理手数料が安い代わりに、収益に対して10%程度の報酬を取られます。
ファンドラップは投資家にとって手間がかからず、楽に投資できるというメリットがあり、ファンドラップをしている間に投資の知識を得ることも可能です。
ある程度知識を得れば、ファンドラップと同様なタイプのバランス型ファンド(資金を複数の投資商品に分散)を自分で購入できるようになります。
ファンドラップはそのための道筋とも言えます。