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とても、とっても可愛いお話しです。
「アンリくん、パリへ行く」は、パリに憧れるアンリくんが、パリへ歩いて行こうとする小さな小さな大冒険を描いた作品です。
この絵本の魅力は、アンリくんの目線で私達も小さな大冒険をする事が出来るというのが魅力なんです。
アンリくんになったつもりで、小さな大冒険を楽しむのも良いですし、アンリくんを少し離れて見守っているというのでも良いですよね。絵本の世界を体験出来るというのは、とても新鮮な気がします。
子供の頃に、一人で祖父母の家に行くというだけでも、小さな小さな大冒険でした。いつも見慣れた風景がなんだか違って見えたり、いつまでもつかないような不安になったりしました。
「アンリくん、パリへ行く」は、誰もが経験する初めての一人旅を思い出させてくれます。
そして、この絵本のもう一つの魅力は、絵本とは思えない、その芸術性の高さです。絵本に描かれる世界は、淡い水彩画だったり、可愛らしい子供や動物がメインだったりします。でも、この作品のカラーやデザインは、まるでモダンアートのような印象を受けるのです。絵本としても楽しいですが、インテリアとして飾っておくのもとても良いと思います。
大人になると、絵本の魅力に度々気が付きます。子供の時は、物語りの楽しさや絵の可愛さだけで選んでいたような気がしましたが、大人になると選び方が変わった事にも気が付きます。
この絵本を手にとったのも、まずは表紙のシンプルさに惹かれたからです。絵本は子供が読むものと決めつけていたような気がします。でも、大人になったからこそ分かる事もあるのだと思いました。
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なぜ、アンリくんはパリに憧れを持ったのでしょう?
そして、なぜ歩いて行こうと思ったのでしょう?
そんな事を考えながら、絵本を読んでいく楽しさは、子供の時には出来なかったと思います。
絵本の魅力は、読む年代で変わるという事です。子供の時に読んだ絵本を、大人になってから開いた時に、年をとってから開いた時に、その違いがはっきりと分かると思います。それこそが名作の証です。
引用:アンリくん、パリへ行く
作:レオノール・クライン
絵:ソール・バス
出版元:Pヴァイン・ブックス