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「ラ・タ・タ・タム ちいさな機関車」は、楽しい絵本というよりも、少しだけ哀しいお話しかもしれません。
マチアスくんが一生懸命作り上げた小さくて白い機関車。離れたくはなかったのに。ずっと一緒にいたかったのに。
美しい夜の風景はどこか寂しそうで、まるで迷子になった時を思い出します。右も左も分からなくて、出会う人も、見かける建物も全てが自分の知らない世界のように感じます。
この絵本は、大切な人の存在を忘れてはいけないよ。諦めてはいけないよ。というメッセージが込められているような気がします。
大切な人と離れてしまうと、それだけで世界の全てが変わってしまったような気がします。とても心細くて、とても哀しくなるのです。
かつて、大切な友人がいました。何をするにも一緒で、離ればなれになる事などあり得ないと思っていました。そんな大切な友人だったのに、些細なケンカから会わなくなり、次第に会いづらくなりました。時がたち、会いに行ったら、既に引っ越しをしていて、それ以来、会う事はありませんでした。
この絵本を開くと、その時の気持ちを思い出すのです。
どうして、もっと早くに仲直りしなかったのかと何度も何度も後悔しました。
大切な存在だったのに、ちょっとした事で離れてしまうのだと初めて知りました。
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この絵本を読んでいると、白い機関車の気持ちと私の気持ちが重なって感じる部分もあって、胸が締め付けられるようでした。
この絵本は、大切な人の存在を思い出させてくれる絵本だと思います。いかに大切な人の存在が大切で、いかに大切な人と離れてはいけないのだという事を教えてくれます。
長い道のりはまるで人生を表しているようです。そして、諦めない事の大切さを教えてくれるのです。この絵本を読んだ人なら、どうしてこの絵本が名作と言われるのか分かると思います。
この絵本は、長い人生の中、いかに大切な人との出会いが大切なのかという事を教えてくれているのです。
引用:ラ・タ・タ・タム ちいさな機関車
作:ピーター・ニクル
絵:ビネッテ・シュレーダー
訳:矢川澄子
出版元:岩波書店