スポンサーリンク
絵本でこんなに泣いた本はありませんでした。
「100万回生きたねこ」は、一匹のねこが本当の愛を知り、本当の哀しみを知る為に長い長い旅をするお話しです。
世界のどこかには、自分だけを愛してくれる人がいるのかもしれないと、運命の出会いを強く感じる絵本でもあります。それと同時に、愛する人との出会いは、哀しみを知る事になるという事を、私達に教えてくれているのかもしれません。
「100万回生きたねこ」を読みながら、私達も長い旅をしているのかもしれないと思いました。
長い長い時の中で、本当に愛している人と出会っているのかもしれない。もしかしたら、これから出会う人が、その人なのかもしれないと思ってしまいます。
そして、本当の哀しみは愛によってしかもたらされないのです。それは、とても哀しい事かもしれません。哀しみなんて、本当は感じたくないのです。でも、本当の哀しみを受け止める事で、また、本当の愛を得られるのかもしれません。
スポンサーリンク
愛情も哀しみも、もらうだけでは得られないものです。相手に与えて初めて愛を得られるのかもしれません。
もしも心に色があるのなら、愛を知らない時には、心が灰色なのかもしれません。まるでモノクロ映画の世界のようだと思います。
でも、誰かを愛した瞬間。モノクロの世界は、キラキラと輝く世界へと変わってしまうのです。それがどれだけ素晴らしい事なのか、この絵本は教えてくれます。
それと同時に、本当の愛や哀しみを知る事で、心が豊かになるのだということも教えてくれました。
何度も読んで、何度も読み直してしまうこの作品は、見るたびに涙が溢れるのですが、読み終わった後。絵本を閉じながら、「良かったね」という言葉がピッタリです。
なぜ、この絵本を多くの人が名作というのか、なぜ大人になっても読みたくなるのか。1度でも読んだら、その理由が分かると思います。
数ある絵本の中でも、こんなにも胸が締め付けられるぐらい切なくなるのは、この絵本の右に出るものはないと思います。
引用:100万回生きたねこ
作・絵:佐野洋子
出版元:講談社