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雨降りの日が楽しみだという人はあまりいないと思います。天気予報で明日は雨だと聞くだけで憂鬱な気持ちになってしまいます。でも、小さい時はどうだったのでしょう?本
当に雨降りの日は、憂鬱なだけだったでしょうか?この「雨、あめ」を読んでから、考えが少し変わりました。
子供の時は、雨降りの日は決して憂鬱ではなかったのです。
この絵本には、文章がありません。
文章がないのに、なぜか会話が聞こえてくるような気がするので不思議です。そして、降る雨の音まで聞こえてくるようです。
雨が降る時の音は、まるで姿が見えないオーケストラのようです。 そして、屋根に激しく当たる雨の音はまるでお客さんの拍手のようです。そんな風に思えたのも、きっと
「雨、あめ」の楽しそうな絵の数々が生き生きとして見えるからだと思います。
この作品、最大の魅力はその淡い色使いです。
あまりにも可愛らしい表紙を開いた瞬間、そこには雨が広がっていました。
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子供の頃は、雨が降ると楽しかったものです。買ってもらった傘を使う為に、雨の日を待っていた日もありました。長靴で水溜まりを歩く度にピチャピチャと音がするのが楽しくて、わざと水溜まりの上を歩いたりしていた事を思い出しました。大人になるという事は、こうした楽しみを一つづつ減らしていく事なんだと、この絵本を見ながら、少し寂しくなりました。
なぜ、子供の頃と大人になってからでは風景が違って見えるのでしょう?いつから、雨が苦手になったのでしょう?
この絵本を読んでから、雨の日が少し楽しみになりました。
カラフルな傘の列がまるでお花畑のように見えたり、傘に当たる雨のリズムが心地よかったり、気が付いたら子供の頃に戻った気持ちでした。
でも、もしも「雨、あめ」を読まなかったら、雨の日に楽しむという事を思い出す事はなかったんだと思いました。
これからも、雨が降る日にはこの名作「雨、あめ」を思い出す事でしょう。そして、雨の楽しさを思い出す事でしょう。
引用:雨、あめ
作:ピーター・スピアー
出版元:評論社