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子供の頃は、空を眺めたら白い雲がまるでドーナツに見えたり、クジラに見えたりしていたのに、いつからか雲はただの雲としてしか見えなくなっていました。
そんな気持ちを呼び覚ましてくれる絵本が、この「まよなかのだいどころ」です。
真夜中に目が覚めたミッキーは、気が付くとまよなかのだいどころに落ちていました。月明かりが明るい不思議な世界。そこには、3人のパン屋さんが、明日の朝の為にパンを作ろうとしています。
そして、ミッキーはミルクと間違えられて、パンの材料と一緒に混ぜられ、オーブンで焼かれてしまうのです。
ここまで読むと、一瞬ちょっと怖いと感じてしまうのですが、鮮やかな色彩と、ほのぼのとするキャラクター達に笑みがこぼれてしまいます。
それに、ミッキーもどこか楽しそうです。ミルクの海を泳いだり、焼かれたケーキの中から出て、パンの練り粉で飛行機を作ったりと、自由自在です。
大人になると、どうして夢を見る力を失ってしまうのでしょう?
日常のあらゆる物を使って、夢はいつでも見れるんだという事を教えてくれているのだと思います。
透明なミルク瓶の中から見た世界はどんな風に見えるのかと、絵本を見ながらつい考えてしまいます。
ミッキーは、本当にまよなかのだいどころに行ったのでしょうか?それとも彼の夢の世界だったのでしょうか?
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夢を見る力は、大人になったらなくなるんだと思っていました。
でも、この絵本を読み終わった後、気が付くとあらゆる事を夢見ている自分がいました。
名作とされる絵本は、大人を子供の頃に戻してくれる不思議な力を持っていますよね。
子供の頃に読んでいたら、逆に気が付かなかったであろう、いろいろな事を絵本は教えてくれます。
大人になって読む絵本は、誰もが忘れてしまった大切な「何か」を思い出させる為に必要なのだと思います。
忙しい日々だからこそ、時には絵本を読みながら、子供の頃のように夢を見るのも、とても良い事ですよね。
引用:まよなかのだいどころ
作:モーリス・センダック
訳:じんぐうてるお
出版元:富山房