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この絵本は、読むための絵本ではありません。赤や黄色、青などのまるを指で触り、まるを感じながらページを捲る、新感覚の絵本です。
単なるまるなのに、触ってと書かれていれば触りたくなるし、揺さぶったりと、なぜか指示通りにしてしまうんですよね。
小さな子供と違って、大人になるとこの手の絵本は読まなくなりますよね。
ストーリーがある訳ではないし、単なるまるが続く単調な絵本だと思ったんです。でも、気が付いたらやっぱり開いているんですよね。
何も考えなくても良いというのが魅力なのかも知れませんね。
日々のストレスがたまってくると、たまに何も考えたくないという時はありませんか?
そんな時に、この絵本を見るとすごくホッとします。
それに、ストーリーはないと思っていたんですが、ストーリーは読んでいる人が作れるんですよね。
例えば、まるが増えていたら、友達が出来たんだ。揺さぶる時には 、まるで旅に出掛けているように。
自分の気分で、色々なストーリーに発展させる事が出来るというのも魅力です。
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それに、自分でストーリーを作る事で、こんなにも世界が広がるんだと思いました。
今までの自分だったら考えてもいないような発想が出てくるんです。
子供の頃に戻ったみたいに、あれこれと空想するのが、こんなにも楽しい事とは思いませんでした。
一度読んだら飽きてしまうという人もいるかもしれませんが、ストーリーが変われば、読む度に違う話しになるのです。
最初は小さな子供向けの本と思っていたけど、そうではないのかもしれません。忙しい大人にこそ、この絵本は大切なのかもしれませんね。
それに、まるい形は見ているだけで癒されます。
触るのも良いですが、時には開いてジッと見つめていると、まるが浮き上がって見える時があるんです。
まるの色がシンプルな色なのも良いですね。複雑な色だと目が疲れてしまいますが、シンプルでなおかつ少ない色が、癒しを与えてくれるんだと思います。
この絵本は間違いなく後世に残したい名作絵本です。
引用:まるまるまるのほん
作、絵:エルヴェ・テュレ
翻訳:谷川俊太郎
出版元:ポプラ社