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つみきのいえと聞いて、あら?どこかで聞いたことのあるタイトル。ピンとくる方も多いのではないでしょうか。つみきのいえは、2008年に発表された短編映画。なんと日本初のアカデミー賞短編アニメ部門を受賞しています。こちらはその原作となる名作絵本。わずか数ページの冊子の中には、読む人の心をうつ丁寧な描写が刻々と描かれています。
つみきのいえに登場するのは、少しずつ水に沈んでいく街に住む1人の老人。積み木で作られたような可愛らしいハウスに住み、懐かしい過去とこれから訪れる未来を期待しています。物語のテーマとなるのは家族愛。うっかり水の中に落としたパイプを拾うために、おじいさんは水の奥へ奥へともぐっていきます。そこには微笑ましい家族の思い出がたっぷり詰まっていて…。
あらすじだけをざっくり聞いてしまうと「え?ただのおじいさんの回想録じゃない」と失笑してしまうものの、実はこれ「生きる」をテーマにもした、力強い作品。過去を懐かしむだけではなく今日これから進む未来もきちんと見据えて勇気あふれる絵本なのです。
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大人女子になると、年をとることが怖くなることも…。シミやシワが増えたことを憂い、消えていく若さにすがりたくなることもあります。これまで進んできた道を愛おしく思いながら周囲の方々に感謝の想いを抱いていくことは、実はなかなか出来そうで出来ないこと。顔に刻まれているシミやシワも、立派な勲章です。
年をとること・長生きすること・命の本数が小さくなっていくことに、誰もがアウトをつきつける現代。どんな理不尽な状況に置かれても、上を向いてコツコツ頑張っていると神さまはいつしかご褒美を与えてくれる…そう温かい気持ちにさせてくれる絵本です。
アカデミー賞をとった映画では、長澤まさみさんがナレーションをしています。原作はもとより、絵本に命が吹きかけられたような短編映画もまた格別。ダブルで目を通しておくと、ココロがじんわり温かくなります。
『引用:{絵本名} 作:加藤久仁生 絵:加藤 久仁生 出版社:白泉社』